15年間、トップを走り続ける

NARUTO展に行ってきた。

開催しているのは知っていたけど、完結の事実から長いこと目をそらしていた私が完結記念の展示会を見に行けるはずもなく、もう行かなくていいか、とすら思っていた。

しかし、最終巻まで読み終えたちょうどいいタイミングで友人が声をかけてくれたこともあり、終了前に滑り込みで行くことができたのだ。


大阪は天保山の会場。海遊館に負けず劣らず、お昼の時点で待ち時間60分。展示場の中も原画に食い入る人々でほとんど前に進めなかった。海外からの旅行客と思われる人も多く、物販では買い物バッグいっぱいにグッズを購入していく外国人も多くみられた。

おそるべし、NARUTOの人気。

同時に「NARUTOという作品はこんなにも多くの人に愛されているんだ。」と、まるで同志を見つけたような幸せな気持ちになった。どこ目線でそんな偉そうなことを言うのか分からないが、長年NARUTOオタクだった自分を誇らしくも感じた。


内容はムービー、原画展示、装飾など何から何までかっこよく、NARUTOの世界を五感で体験できる最高にアツいものだった。NARUTO好きにはたまらない。ムービーを見ながら何度目頭を熱くしたことか。さすがに人前では泣けなかったけど(笑)


中でも私が心を打たれたのは、岸本先生のネーム・プロット用ノートだ。


原画展示は他のマンガ作家のものなど多少見たことがあっても、こればかりは生まれて初めて見る。しかも岸本先生の、NARUTOのネーム・プロット!

原画にすらなっていない段階の岸本先生の頭の中の構想を詰め込んだものだ。

ぎっしりとアイデアで埋めつくされ、少しくだびれたノート。

この膨大な量のアイデアと試行からあの素晴らしいマンガが一話、また一話と生まれて行ったのかと思うと、言葉も出なかった。

私たち読者に毎週届けられていたクオリティーの高いマンガは、岸本先生の才能と努力のほんの一部に過ぎないのだ。岸本先生…(崇拝)


NARUTOは連載開始の1999年から2014年までの15年間、トップを走り続けてきたマンガだ。

日本のマンガ雑誌・週刊少年ジャンプのトップ。それはつまり、世界のマンガ界のトップともいえる。

岸本先生はいったいどんな気持ちでこの15年間を走り抜けてきたのだろう。

「天才とは1%のひらめきと、99%の努力でできている。」とはエジソンの言葉だけど、岸本先生もまさにこの言葉に当てはまる天才だと思う。つまり、努力の天才だ。

こんなことを言ったら失礼かもしれないが、私は岸本先生が生まれながらに特別な人間だったとは思わない。むしろ、その一言で先生の費やした15年間を片付けてしまうことのほうが失礼に値すると思っている。

普通の人間だった彼のたゆまぬ努力がNARUTOという特別な作品を生み、先生を特別な存在にしたのだ。まるで白鳥が水面下では必死に足を動かしているように、連載の舞台裏では死力を尽くした努力が日々行われていたのだ。

そしておそらく、NARUTOの中に出てくる数々の名セリフは、そんな途方もない努力を続けた先生だからこそ絞り出せたものなのだろう。


…ああもう岸本先生!!!(崇拝)

うずまきナルトもうちはサスケも春野サクラもはたけカカシも(ちなみに私の好きなキャラはカカシ先生♡)みんな生きざまがカッコいいけど、一番カッコいいのはあなたです!!先生!!!!

そんな先生の人間力も相まって、私はNARUTOがますます好きになってしまう。完結したのに、もう終わったのに、NARUTO大好きでNARUTO崇拝の気持ちは日に日に増していくばかり。まったく、これだからオタクは苦しいのだ。


いつだってカッコいい人や輝いている人は、人の何倍も努力している。ましてや15年間もトップを走り続ける人ならば、なおさら。一夜漬けの努力で動かせるほど人の心は簡単じゃないし、栄光も安くはない。

岸本先生はNARUTOが完結してもなお、私たちに大切なことを教えてくれる。

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